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【秋田県】倉庫・工場の修繕ガイド|費用の目安から雪国ならではの傷み方、補助金まで

「屋根から雨漏りしてきた」「外壁の錆が目立ってきた」「床のひび割れでフォークリフトが揺れる」。

倉庫や工場を長く使っていると、こうしたお困りごとは必ずやってきます。そろそろ手を入れなければとは思っていても、いくらかかるのか見当がつかず、つい先延ばしになっている方も多いのではないでしょうか。

じつは秋田県での修繕には、他の地域とは少し違う事情があります。

ひとつは、県内のほとんどが建築基準法でいう「多雪区域」にあたること。
もうひとつは、塗装や防水ができる季節が一年のうち七か月ほどしかないことです。

この二つを知らずに計画を立てると、思わぬところでつまずいてしまいます。

このコラムでは、秋田県で倉庫・工場の改修を専門に手がけている倉庫ラボプラスが、傷みの見分け方から費用の目安、工事に適した時期、補助金や税金の話まで、順を追ってご説明します。

専門用語はできるだけかみくだいてお伝えしますので、はじめて修繕を検討される方も、どうぞ気楽に読み進めてください。

修繕・改修・大規模修繕は、それぞれ何が違うのでしょうか?

まずは言葉の整理からはじめましょう。見積書や打ち合わせで混乱しやすいところなので、ここを押さえておくと話がぐっとスムーズになります。

修繕とは

修繕とは、傷んだところを直して元の状態に戻す工事のことです。

たとえば、次のような工事が当てはまります。

・雨漏りの補修
・割れた屋根材の交換
・剥がれた塗装の塗り直し
・傷んだシーリングの打ち替え
・破損した雨樋の交換

改修とは

改修は、元に戻すだけでなく、性能そのものを良くする工事を指します。

たとえば、次のような工事です。

・断熱材を足す
・遮熱塗料を使う
・床の耐荷重を上げる
・作業しやすいように動線を変える
・照明をLEDにして省エネ化する

同じ「屋根を直す」でも、前と同じ仕様に戻せば修繕、断熱性や遮熱性を高めれば改修、という分かれ方になります。

大規模修繕とは

大規模修繕は、単に金額が大きい工事という意味ではありません。建築基準法に定義のある言葉です。

壁、柱、床、はり、屋根、階段のうち、どれか一種類でもその半分を超える範囲を直す場合を指します。

条件によっては建築確認申請が必要になりますので、覚えておいて損はありません。

なぜ用語にこだわるかというと、税金の扱いと役所への手続きが、この区分によって変わってくるからです。

あいまいなまま発注してしまうと、決算のときや検査のときに慌てることになります。

秋田県の倉庫・工場が傷みやすい、五つの理由

全国向けの記事ではあまり語られない、この土地ならではの事情をお話しします。ここが、秋田での修繕を考えるうえでいちばん大事なところです。

1. 屋根にのしかかる、雪の重さ

秋田県は、秋田市と横手市を除く県内全域が県の細則で多雪区域に指定されています。秋田市と横手市についても、それぞれの市の細則で積雪量が定められています。

秋田市は地域によって一メートルから二・五メートルまでの区分があり、横手市は原則二メートルとされています。

ご自身の敷地がどの区分にあたるかは、県または市の建築指導課で確認できます。

雪の重さを目安で見ると、次のようになります。

・積雪一メートル:屋根一平方メートルあたり約204キログラム
・積雪一・五メートル:屋根一平方メートルあたり約306キログラム
・積雪二メートル:屋根一平方メートルあたり約408キログラム
・積雪二・五メートル:屋根一平方メートルあたり約510キログラム

延床千平方メートルの倉庫であれば、積雪二メートルの地域で屋根全体に四百トンを超える重さがかかる計算です。

しかもこれは設計上の数値で、雨を含んだ重い雪はさらに建物へ負担をかけます。

築年数の経った建物では、次のような症状が出てきます。

・屋根のたわみ
・母屋や小梁のゆがみ
・ビスのゆるみ
・屋根と外壁の取り合い部分の口開き
・屋根材の波打ち

「毎年なんとか持ちこたえている」という建物ほど、じつは限界が近いことがあります。

とくに気をつけていただきたいのが、増築した部分や荷捌き場のひさしです。本体より構造が弱いうえ、雪が吹き溜まりやすいため、いちばん先に傷みが出やすい場所です。

2. 雨が降っていないのに漏れる「スガ漏り」

秋田で圧倒的に多いのが、このスガ漏りです。普通の雨漏りとは、起きる仕組みがまったく違います。

屋根に積もった雪が、室内の暖かさや日差しで少しずつ融けて軒先へ流れていきます。

ところが軒先は外気で冷やされているため、そこでまた凍り、氷の堤ができてしまいます。

行き場をなくした水が屋根の上にたまり、屋根材の重なり部分やビス穴から、下から上へと逆流して室内に入ってきます。

これがスガ漏りです。

やっかいなのは、雨が降っていないのに漏るため、原因がつかみにくいことです。

さらに真冬に起きるため、その時期には屋根に上がっての本格的な工事ができません。

普通の雨漏り補修の感覚でコーキングを打っても止まらず、何度直しても再発する、というご相談を毎年いただきます。

きちんと止めるには、次のような対策を組み合わせて考える必要があります。

・屋根の勾配を見直す
・水の流れ道を確保する
・屋根材の重なり部分を止水する
・断熱を強めて屋根に熱を逃がさない
・雪止めや融雪設備の配置を見直す

雪国での経験が浅い業者さんですと、ここでつまずいてしまうことが多いようです。

3. コンクリートを内側から壊す、凍害

秋田の冬は、零度をはさんで気温が上がったり下がったりを何十回も繰り返します。

コンクリートやモルタルに染み込んだ水は、凍ると体積が一割ほど膨らみます。これが繰り返されることで、材料が内側から少しずつ壊れていきます。

凍害の症状には、次のようなものがあります。

・外壁の表面がぽろぽろ剥がれる
・薄く層になって浮いてくる
・内部の鉄筋が見えてくる
・土間コンクリートの表面が粉をふく
・床表面が欠ける、荒れる

見落とされやすいのが、荷捌き場や搬入口まわりの土間です。

フォークリフトのタイヤが運び込む雪と凍結防止剤が、凍害と塩害の両方でダメージを与えるため、他の場所より何倍も早く傷みます。

ここが荒れてくるとフォークリフトの揺れが大きくなり、荷崩れや転倒の心配も出てきます。

4. 海からの風が運ぶ、塩分

秋田市、男鹿市、潟上市、能代市、由利本荘市、にかほ市、八峰町といった日本海に面した地域では、冬の強い季節風が塩分を内陸まで運んできます。

この塩分が、金属の錆をぐんと早めます。

沿岸部の倉庫・工場では、次のような症状がよく見られます。

・屋根や外壁の鋼板に白い錆や赤い錆が浮く
・シャッターが錆びて開け閉めしにくくなる
・鉄骨の足元が腐る
・ビスの頭が朽ちて抜ける
・外部階段や手すりが腐食する

同じ材料、同じ塗装をしても、内陸と沿岸では塗り替えの時期が数年変わってきます。

沿岸部の建物では、防錆性能の高い塗料を選ぶこと、そして年に一、二回の水洗いで塩分を落としてあげることが、地味ですがよく効きます。

5. 工事したいときに、工事ができない

これは傷みの原因ではありませんが、秋田で計画を立てるうえで最大の制約です。

塗装は、気温が五度を下回ったり湿度が高すぎたりすると、塗料が本来の性能を発揮できません。

防水工事も同じです。

ですから秋田で外まわりの工事ができるのは、現実的には四月中旬から十一月中旬までの、およそ七か月間ということになります。

しかもこの短い期間に県内じゅうの工事が集中します。

五月から十月にかけては、職人も足場も資材も取り合いになり、着工が数か月待ちということも珍しくありません。

「雪が消えて雨漏りに気づいて電話したら、着工は秋になります」というのは、本当によくある話です。

これを避けるには、前の年の秋から冬のうちに調査と見積を済ませ、春一番で着工できるよう段取りしておくことです。

ご自身の建物がどの段階にあるか、確かめるための目安です。

双眼鏡やスマートフォンの望遠でも、ある程度は見えます。屋根に上がるのは転落の危険がありますので、そこは専門業者にお任せください。


屋根まわりのチェックポイント

雨漏り、天井のシミ、結露のあと

急ぎたい症状です。

このままにすると、下地の鉄骨が腐ったり、断熱材が傷んだり、漏電のおそれがあります。

ボルトの錆、キャップの外れ

早めに対応したい症状です。

ビス穴から水が入ったり、強風で屋根材が飛ぶ原因になります。

屋根のたわみ、波打ち

急ぎたい症状です。

雪が積もったときに変形や崩落につながるおそれがあります。

スレートのひび、欠け

急ぎたい症状です。

落下事故や、石綿を含む建材の場合は飛散の心配もあります。

天窓の変色、割れ

早めに対応したい症状です。

割れて落ちたり、そこから漏水することがあります。

谷樋・軒樋のゆがみ、詰まり

早めに対応したい症状です。

あふれた水が外壁を伝って、建物の中へ入る原因になります。

雪止めのゆがみ、外れ

急ぎたい症状です。

落雪によって人や車に被害が出るおそれがあります。


外壁まわりのチェックポイント

触ると白い粉がつく

様子見から早めの対応が必要です。

塗膜が水をはじかなくなり、素地が傷みだしているサインです。

シーリングの痩せ、切れ

早めに対応したい症状です。

目地から水が入り、内部で結露や腐食が進むことがあります。

錆や膨れ

早めから急ぎたい症状です。

放置すると穴があき、パネルごとの交換が必要になることがあります。

ひび割れ

急ぎたい症状です。

水が入り込むと鉄筋が錆びて膨らみ、コンクリートが弾けることがあります。

ALCパネルの欠け、目地の劣化

急ぎたい症状です。

凍害が一気に進む原因になります。


床まわりのチェックポイント

ひび割れ、段差

早めに対応したい症状です。

フォークリフトの揺れが増え、荷崩れや転倒につながるおそれがあります。

塗床の剥がれ、膨れ

早めに対応したい症状です。

粉じんが出たり、製品への異物混入につながることがあります。

表面の粉ふき

早めに対応したい症状です。

掃除の手間が増え、精密機器にも影響することがあります。

目地の破損

早めに対応したい症状です。

そこを起点に欠けが広がることがあります。

荷捌き場の砂利が見えている

急ぎたい症状です。

凍害と塩害が急速に進み、全面打ち替えが必要になることがあります。

このほか、シャッターの開閉不良、雨樋の凍結による破損、外部階段の腐食、換気設備の不具合、消火設備や誘導灯の点検なども、あわせて見ておきたいところです。

急ぎたいものがひとつでもあれば、早めに専門業者にご相談ください。


そのままにしておくと、どうなるでしょうか

「まだ使えるから」「今期は予算がないから」と後回しになりがちな修繕ですが、経営という目で見ると、じつは先送りがいちばん高くつきます。

まず、修繕費そのものが膨らみます。

屋根の防水層の初期の傷みを放っておくと、水は下地、断熱材、鉄骨、天井裏の配線へと入り込んでいきます。

表面の手直しで済んだはずのものが、下地のやり替えから鉄骨の補強、電気設備の更新まで及び、費用が数倍から十倍近くになってしまう例は、残念ながら珍しくありません。

在庫や製品の損害も見過ごせません。

・段ボールが濡れる
・製品が錆びる
・食品や農産物にカビが出る
・出荷前の商品が使えなくなる

これらは修繕費よりずっと大きな損失になることがあります。

県内に多い農産物倉庫や低温倉庫、水産加工の現場では、品質の事故が取引そのものに響いてしまいます。

屋根の一部が落ちたり、漏水で停電したりすれば、生産や出荷が止まります。

一日操業が止まったときの損失を計算してみると、先に手を打っておくことの割の良さが見えてくるはずです。

働く方の環境という面も大切です。

バケツが並ぶ倉庫、薄暗い照明、夏に四十度を超える工場は、労働災害の危険が高まるだけでなく、人手不足が深刻な秋田県では、人が集まらない、定着しないという形で経営に跳ね返ってきます。

作業環境を整えることは、もはや福利厚生ではなく人材の確保そのものです。

そして、老朽化した建物は売却や賃貸のときの評価も下がります。

近年の豪雨被害を考えても、建物を健全に保つことは事業を続けるための備えといえます。


費用は、どのくらいかかるのでしょうか

いちばん気になるところだと思います。

工事の種類ごとの単価を、実際の相場感でお示しします。


工事の種類ごとの単価の目安

・足場:800〜1,500円/平米
高いところや狭い敷地は割増になります。

・屋根の塗装:2,500〜4,500円/平米
遮熱塗料は500〜1,500円ほど上乗せになることがあります。

・屋根のカバー工法:6,000〜12,000円/平米
断熱材が一体のものは高めになります。

・屋根の葺き替え:10,000〜18,000円/平米
既存屋根の撤去処分を含む場合の目安です。

・外壁の塗装:2,500〜4,500円/平米
塗料のグレードで変わります。

・外壁のカバー・張り替え:8,000〜15,000円/平米
断熱パネルを使う場合は高めになります。

・シーリングの打ち替え:700〜1,500円/メートル
撤去の有無で変動します。

・屋上のシート防水:5,000〜9,000円/平米
塩ビ系・ゴム系など種類によって変わります。

・ウレタン塗膜防水:4,500〜8,000円/平米
通気緩衝工法は高めになります。

・塗床、薄いタイプ:1,500〜3,000円/平米
事務所や軽作業向けです。

・塗床、厚いタイプ:4,000〜10,000円/平米
フォークリフトが走る場所に向いています。

・土間コンクリートの打ち替え:8,000〜15,000円/平米
下地の状態で変動します。

・断熱の吹き付け:3,000〜7,000円/平米
厚みによって変わります。

・高天井LED照明への交換:一台あたり3〜8万円
電気工事を含む目安です。

・雪止めの設置:3,000〜8,000円/メートル
形状と積雪量によって変わります。

いずれも一般的な目安です。

建物の状態、面積、立地、時期によって上下しますので、実際の金額は現地を見せていただいたうえでのお見積でご確認ください。


規模ごとのモデルケース

秋田県内の鉄骨造倉庫を想定した、おおまかなイメージです。

延床500平米・雨漏り対策

工事内容の例は、屋根カバー工法、谷樋交換、雪止めの見直しです。

概算費用は400万〜650万円ほど。
工期の目安は三〜四週間です。

延床1,000平米・外まわり一新

工事内容の例は、屋根遮熱塗装、外壁塗装、シーリング、足場です。

概算費用は550万〜900万円ほど。
工期の目安は五〜七週間です。

延床2,000平米・大規模修繕

工事内容の例は、屋根葺き替え、外壁カバー、塗床、LED化、断熱です。

概算費用は3,500万〜6,000万円ほど。
工期の目安は四〜六か月です。

部分補修のみ

工事内容の例は、局所的な雨漏り補修、ボルトキャップ交換などです。

概算費用は20万〜100万円ほど。
工期の目安は数日〜二週間です。

用途変更をともなうような全面改修になりますと、坪あたり十五万円から三十万円、構造の補強や設備の入れ替えまで含めると坪五十万円以上になることもあります。

ただ、実際のご相談の多くは「屋根だけ」「外壁と床だけ」といった部分的なものですので、坪単価よりも平米単価で考えていただくほうが実態に近いと思います。


構造による違い

鉄骨造

県内の倉庫・工場でいちばん多いのは鉄骨造です。

改修の自由度が高く、間仕切りの変更や開口部の新設にも比較的柔軟に対応できます。

ただし錆対策が生命線で、とくに沿岸部では塗料の選び方が費用を左右します。

鉄筋コンクリート造

鉄筋コンクリート造は丈夫で火にも強い反面、改修費はいちばん高くなりがちです。

凍害でコンクリートが弾けた箇所の補修や、中性化への対策が中心になります。

木造

木造は費用が抑えられ工期も短いのですが、腐れやシロアリ、雪によるゆがみを丁寧に見ておく必要があります。

県内の農業用倉庫では今も現役の建物が多くあります。


費用を抑える、五つの工夫

1. 屋根と外壁を同じタイミングで直す

いちばん効くのは、屋根と外壁を同じタイミングで直すことです。

別々の年に分けると足場代を二回払うことになります。まとめれば一回で済み、数十万円から百万円単位の差が出ます。

2. カバー工法で済むか確認する

屋根が葺き替えではなくカバー工法で済むかどうかも大きなポイントです。

既存の屋根を撤去しなくてよいぶん、処分費も廃棄物も減ります。ただし下地が健全であることが前提です。

3. 繁忙期を外す

繁忙期を外して四月や十月から十一月に着工できると、条件を有利に運べることがあります。

4. 相見積の条件をそろえる

相見積を取られる場合は、工法も塗料のグレードも範囲もそろえてご依頼ください。

条件が違うと比べようがありません。「一式」ばかりの見積書は、中身が見えないという意味で注意が必要です。

5. 十年単位の修繕計画を立てる

十年単位の修繕計画を立てて優先順位をつけ、分けて工事することも大切です。

単年度の負担がぐっと軽くなります。


手を入れる時期の目安

修繕や点検の目安は、次の通りです。

・屋根の塗装:年に一回点検。十〜十五年で塗り替え。沿岸部は七〜十二年が目安です。
・折板屋根そのもの:年に一回点検。二十〜三十年でカバー工法か葺き替えを検討します。
・スレート屋根:年に一回点検。二十〜三十年が目安です。
・外壁の塗装:年に一回点検。十〜十五年で塗り替え。沿岸部は短めです。
・シーリング:年に一回点検。八〜十二年が目安です。
・屋上防水:年に一回点検。十〜二十年が目安です。
・塗床:半年から一年に一回点検。五〜十年が目安です。
・雨樋・谷樋:年に二回点検。十五〜二十五年が目安です。
・シャッター:年に一回点検。十五〜二十五年が目安です。

秋田でおすすめしたいのは、雪解け直後の四月と、雪が降る前の十一月上旬の年二回の点検です。

四月に冬のダメージを把握してその年度の計画に反映し、十一月に樋の詰まりや雪止めを確かめて冬に備える。

この流れがいちばん無理がありません。

なお、税務でいう法定耐用年数は減価償却の期間であって、建物の寿命ではありません。

参考までに、鉄骨造の工場・倉庫は三十一年、鉄筋コンクリート造は三十八年、木造は十五年とされています。

ただし、きちんと手を入れていけば実際にはもっと長くお使いいただけます。


秋田での一年の進め方

段取りがすべて、といっても言い過ぎではありません。理想的な流れをご紹介します。

十月〜十二月

現地調査と診断を行います。

本格的な雪の前に、ドローンや赤外線で漏水の道すじを突き止めます。

十二月〜二月

工法の検討、見積の比較、社内での予算取りを進めます。

補助金を使うなら、この時期に情報収集しておくことが大切です。

二月〜三月

契約、資材の手配、工程の調整を行います。

ここで押さえておけば、春の混雑期でも先に着工できます。

四月中旬〜六月

着工に適した時期です。

梅雨前のこの時期が、気温も湿度もいちばん条件が良い期間です。

七月〜九月

屋根工事は熱中症に注意が必要です。

金属屋根は真夏に六十度を超えることもあります。

十月〜十一月上旬

仕上げと冬支度の時期です。

十一月中旬を過ぎると天候のリスクが跳ね上がります。

十二月〜三月

塗床、内装、断熱、LED化、電気工事など、屋内の工事に最適な時期です。

冬は工事ができない、ではなく、冬は中の工事をする。

そう切り替えていただくと、計画がぐっと立てやすくなります。


忘れてはいけない、法律の手続き

新築のときほど意識されないまま、気づかず法令違反になっているケースが案外あります。

建築確認申請

建築確認申請は、大規模修繕にあたる場合に必要となることがあります。

近年の法改正で判断の基準も変わってきていますので、「修繕だから申請はいらない」という思い込みがいちばん危ないところです。

増築や、倉庫から工場へといった用途の変更をともなう場合も同様です。

判断に迷われたら、設計者か県・市の建築指導課にご確認ください。

石綿、いわゆるアスベストの調査

石綿、いわゆるアスベストの調査も欠かせません。

二〇〇六年より前に建てられた建物では、屋根材や外壁材、配管の保温材などに含まれている可能性があります。

一定規模以上の工事では、資格を持つ者による事前調査と、その結果を国のシステムへ報告することが法律で義務づけられています。

調査を省いて進めることはできません。

調査費と、もし含まれていた場合の除去・処分費を、はじめから予算に入れておいてください。

ここを見積に含めていない業者さんですと、後から追加のご請求になることがあります。

消防法

消防法についても、用途やレイアウトを変えると、消火設備や避難経路の要件が変わることがあります。

危険物を扱う工場ではとくに、所轄の消防署へ事前にご相談ください。

工事中の安全管理

高所作業や足場、有機溶剤を使う塗装には、それぞれ資格者の配置と安全措置が求められます。

稼働しながらの工事では、従業員の方と工事の作業員の動線が交わりますので、発注者側にも安全管理の責任が生じる点にご留意ください。


仕事を止めずに工事を進めるには

倉庫や工場の修繕でいちばん悩ましいのが、営業を止められないという点です。

実際に効果のある進め方をご紹介します。

区画を分ける

建物をいくつかの区画に分け、稼働するところと工事するところをはっきり分ける方法があります。

仮設の間仕切りやシート、コーンとバーで区切り、粉じんや騒音、落下物から在庫と人を守ります。

夜間や休日に施工する

出荷のない深夜や休日に集中して施工する方法もあります。

割増の費用はかかりますが、仕事を止めた場合の損失と比べれば、こちらのほうが有利になることは多いものです。

県内の農産物倉庫であれば出荷が一段落した後、製造業であれば夏や年末年始の一斉休業が狙い目になります。

在庫移動を早めに考える

床や天井の工事では在庫の移動が避けられません。

外部倉庫の一時利用、パレット単位での寄せ集め、繁忙期前の在庫圧縮などを、三か月ほど前から考えておくと慌てずに済みます。

車両とフォークリフトの動線を分ける

資材を運び込む車とフォークリフトの動線がぶつからないよう、時間帯を分けることも大切です。

足場で通路がふさがる期間も、あらかじめ共有しておきましょう。

近隣や従業員への周知

騒音や振動については、近隣の事業所へ事前にひとこと説明しておくとトラブルを防げます。

従業員の方へは、立入禁止の区域や避難経路の変更を周知してください。

工程には予備日を入れる

秋田では急な雨や強風で外の作業が中止になることがよくあります。

一週間から二週間の予備日を見ておかない工程表は、この土地の気候を分かっていない証拠かもしれません。


補助金は使えるのでしょうか

よくいただくご質問ですので、正直なところをお伝えします。

大前提として、建物の修繕そのものは、多くの補助金で対象外です。

代表的なものづくり補助金でも、建物の建設費や改修費は補助の対象になりません。

設備投資向けの補助金の多くは、機械やシステムが中心で、建物への投資は対象外か、かなり限定的です。

ただ、道がないわけではありません。

次のような改修であれば、補助金の対象になる可能性があります。

・断熱改修
・遮熱塗装
・LED化
・高効率の空調
・太陽光発電
・省エネ設備の導入
・自動化、省力化設備に関連する工事

秋田県や県内の市町村でも、事業者の省エネ設備導入を後押しする補助が実施された実績があります。

また、自動化や省力化の設備を導入する補助金では、その設備を据えるために必要な工事が一部認められる場合もあります。

防災の面では、事業継続力強化計画の認定を受けることで、税制の優遇や補助金の加点といったメリットが得られます。

気をつけていただきたいのは、補助金の制度は毎年、要件も補助率も公募時期も変わるということです。

必ず、秋田県の公式サイト、お住まいの市町村の商工担当課、秋田商工会議所や各地の商工会、中小企業庁のミラサポplusなどで最新の情報をご確認ください。

そしてもうひとつ。

補助金は、交付が決まる前に発注や契約をしてしまうと対象外になるのが原則です。

工事を頼んでから申請、では間に合いません。

公募の時期から逆算してご計画ください。


意外と大きい、税金の話

じつは補助金以上に手元に残るお金を左右するのが、この部分です。

工事費を修繕費として処理できれば、その年度に全額を経費にできます。

いっぽう資本的支出と判定されると、資産として計上し、耐用年数にわたって少しずつ償却していくことになりますので、その年の節税効果は限られます。

大まかな考え方としては、通常の維持管理や、元の状態に戻すための支出は修繕費に近く、建物の使える期間を延ばしたり価値を高めたりする支出は資本的支出に近い、ということになります。

形式的な目安として、次のような取り扱いがあります。

・一回の工事が二十万円未満の場合
修繕費として処理できます。

・おおむね三年以内の周期で行う工事の場合
修繕費として処理できます。

・判断が難しく、六十万円未満または前期末の取得価額のおおむね一割以下の場合
修繕費とすることができます。

・それでも判断がつかない場合
支出額の三割と前期末取得価額の一割のいずれか少ないほうを修繕費、残りを資本的支出とする方法があります。

実務では、同じ工事でも見積書の項目の立て方や契約の分け方によって判定が変わることがあります。

屋根の塗り替えと断熱パネルへの葺き替えを一本の契約にするか分けるか、といった判断です。

見積の段階から顧問税理士さんにご相談いただくと、後で困ることが減ります。

なお、私どもは税理士ではありませんので、最終的な判断は必ず専門家にお願いいたします。

あわせて、雪や風による被害の修理は、火災保険の雪災・風災補償の対象になることがあります。

秋田では屋根や雨樋の雪害がよく見られますので、被害に気づいたら直す前に写真を撮り、保険会社にご確認ください。

直してしまってからでは、被害の証明が難しくなります。


業者を選ぶときに、見ていただきたいところ

雪国での施工実績があるか

雪国での施工実績があるかどうかは、とても大切です。

積雪の荷重を理解しているか、スガ漏りを直した経験があるか、雪止めをどう配置するか分かっているか。

県外の業者さんや住宅リフォーム中心の会社では、なかなか難しい部分です。

「秋田県内での倉庫・工場の施工事例を見せてください」と聞いてみるのが、いちばん確実です。

倉庫・工場への専門性があるか

倉庫や工場という建物への専門性も大切です。

住宅とは屋根の構造も外壁材も床に求められる性能も、まるで違います。

折板屋根、タイトフレーム、耐荷重塗床といった言葉がすんなり通じるかどうかは、良い判断材料になります。

現地調査が丁寧か

現地調査が丁寧かどうかも見てください。

図面だけ、外から眺めただけで見積を出す業者さんは避けたほうが無難です。

屋根に上がる、赤外線やドローンを使う、水をかけて確かめる。

調査の質が、そのまま工事の質になります。

見積書の中身が分かりやすいか

見積書の中身も大事です。

「屋根工事一式」ではなく、数量と単価、そして塗料の名前やメーカー、塗る回数まで書いてあるか。

比較できる見積かどうかは、この細かさで決まります。

稼働しながらの工事に慣れているか

こちらが言う前に「出荷が忙しいのはいつ頃ですか」「この区画から先に仕上げましょうか」と提案があるかどうか。

現場を分かっている業者は、必ずここに触れます。

アフターフォローがあるか

工事の後の保証や定期点検、不具合が出たときの対応の早さも確認しておきましょう。

秋田では冬に不具合が出やすいので、雪の中でも駆けつけられる地元の業者であることの安心感は、思っている以上に大きいものです。

そして基本のことですが、建設業の許可、石綿調査の資格者、労災保険や賠償責任保険への加入も、遠慮なくお尋ねください。


こんな失敗がよくあります

安さだけで選んで、また漏れてしまった

とくにスガ漏りは、原因を突き止めずにコーキングで塞ぐだけでは必ず再発します。

安い工事を二度やるより、正しい工事を一度やるほうが結局は安く済みます。

屋根と外壁を別々の年に工事した

屋根と外壁を別々の年に工事して、足場代を二回払ってしまうケースがあります。

計画を立てていれば防げた出費です。

アスベストの調査費と処分費が後から追加になった

古い建物でアスベストの調査費と処分費が後から追加になることがあります。

見積の段階で確認しておきたいところです。

着工後に建築確認申請が必要と分かった

着工してから建築確認申請が必要と分かり、工期が大きく遅れるケースがあります。

法令の確認は契約の前に行いましょう。

春に相談したら着工が秋になった

春に相談したら着工が十月になり、冬に間に合わなかったということもあります。

秋田の繁忙期を甘く見ると、こうなります。

補助金の交付決定前に発注してしまった

補助金をあてにしていたのに、交付決定の前に発注してしまって対象外になることがあります。

これも本当によくあるお話です。


よくあるご質問

Q. 秋田県で倉庫の屋根を直す場合、費用はどのくらいでしょうか。

A. 工法によって変わります。

塗装なら平米あたり2,500円から4,500円、カバー工法で6,000円から12,000円、葺き替えで10,000円から18,000円が目安です。

これに足場代が加わります。

延床五百平米の倉庫をカバー工法で直す場合、四百万円から六百五十万円ほどが一つの目安です。

ただし、正確な金額は現地を見せていただく必要があります。


Q. 冬でも工事はできますか。

A. 塗装や防水などの外の工事は、気温が五度を下回ったり雪が降ったりすると品質を保てないため、原則としてお受けできません。

ただし、緊急の雨漏りの応急処置や、塗床、内装、断熱、LED化、電気設備の更新といった中の工事は冬でも可能です。

むしろ冬は屋内工事の良い機会です。


Q. スガ漏りと雨漏りは、どう違うのですか。

A. スガ漏りは、屋根の雪が融けて軒先で再び凍り、行き場をなくした水が屋根材の重なりやビス穴から逆流して入ってくる、雪国ならではの現象です。

雨が降っていなくても起きますし、普通の雨漏り補修では止まらないことが多いため、断熱と排水と止水をまとめて見直す必要があります。


Q. 仕事を止めずに工事できますか。

A. できます。

区画を分ける、夜間や休日に施工する、閑散期にまとめて進めるといった方法を組み合わせます。

計画のはじめの段階で、繁忙期と出荷の予定を教えていただけると、うまく組み立てられます。


Q. 建築確認申請は必要ですか。

A. 壁、柱、床、はり、屋根、階段のいずれかを半分以上直す場合など、必要になることがあります。

増築や用途変更をともなう場合も同じです。

建物ごとに事情が違いますので、設計者か行政庁への確認が欠かせません。


Q. 古い倉庫ですが、アスベストは心配でしょうか。

A. 二〇〇六年より前の建物では、含まれている可能性があります。

一定規模以上の工事では、資格者による事前調査と行政への報告が法律で義務づけられています。

調査費と、含まれていた場合の除去・処分費を予算に見込んでおいてください。


Q. 補助金は使えますか。

A. 建物の修繕そのものは多くの補助金で対象外です。

ただし、断熱や遮熱、LED化、高効率空調といった省エネの改修や、省力化の投資と組み合わせることで活用できる可能性があります。

制度は毎年変わりますので、県や市町村、商工会議所で最新の情報をご確認ください。

交付が決まる前の発注は対象外になる点にもご注意ください。


Q. 工事費は全額を経費にできますか。

A. 元に戻すための工事で二十万円未満、またはおおむね三年以内の周期で行う工事などは、修繕費として処理できる場合があります。

性能を高めたり寿命を延ばしたりする工事は資本的支出となり、償却の対象になります。

個別の事情によりますので、顧問税理士さんにご相談ください。


Q. 雪で屋根が壊れました。火災保険は使えますか。

A. 雪災の補償が付いていれば、対象になる可能性があります。

直す前に被害の写真を撮って、保険会社か代理店にご連絡ください。

修理してしまうと、被害の証明が難しくなります。


Q. 建て替えと修繕、どちらを選ぶべきでしょうか。

A. 判断のよりどころは、鉄骨や基礎といった構造体が健全かどうか、今の法令に合っているか、必要な能力を満たせるか、そして投資を何年で回収できるかです。

構造体がしっかりしていれば、修繕・改修のほうが費用も工期もずっと軽く済みます。

まずは構造も含めた建物診断から始められることをおすすめします。


Q. 工期はどのくらいですか。

A. 部分的な改修で一か月から二か月、全面改修になると数か月から半年が目安です。

内訳としては、調査と業者選びに一、二週間、設計と見積に二週間から一か月、準備に二週間から一か月、そして施工となります。

秋田では天候による予備日も見ておいてください。


Q. 県内ならどこでも来てもらえますか。

A. 秋田市、横手市、大仙市、大館市、能代市、由利本荘市、湯沢市、鹿角市、潟上市、男鹿市、北秋田市、にかほ市、仙北市をはじめ、秋田県全域に対応しております。


Q. まず何から始めればよいでしょうか。

A. 現地調査からです。

今どこがどれくらい傷んでいるかを正確に把握し、優先順位をつけた計画を立てることで、無駄のない予算配分ができます。

参考価格を載せたカタログも無料でお配りしていますので、まずはそちらをご覧いただくのもよいかと思います。


おわりに

秋田県で倉庫や工場を長持ちさせるうえで大切なことを、最後にまとめます。

傷みの主な原因は、雪の重さ、スガ漏り、凍害、そして塩害です。

全国向けの情報だけでは、なかなか対応しきれません。

工事ができるのは四月中旬から十一月中旬までのおよそ七か月で、そこに需要が集中します。

そのため、前の年の秋から逆算して動くことが肝心です。

費用は部位ごとの平米単価で把握し、屋根と外壁をまとめて直すだけでも足場代が一回で済みます。

そして建築確認申請や石綿調査といった手続き、修繕費か資本的支出かという税金の整理は、契約の前に済ませておく。

これだけで、ずいぶん違ってきます。

修繕は出ていくお金ではなく、建物という大切な資産の寿命を延ばし、働く方の安全を守り、事業を止めないための備えです。

気になるところがあれば、どうぞ早めにご相談ください。


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屋根、床、外壁、内部の修繕まで、ありとあらゆる改修に対応しております。

平米単価3,000円からの低価格なご提案をモットーに、秋田県全域で活動しています。

雪国秋田の建物を知り尽くしたスタッフが、現地の調査から工法のご提案、仕事を止めない工程の組み立てまで、しっかりお手伝いいたします。

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